昭和10年3月8日、渋谷駅の名物犬として親しまれていた忠犬ハチ公は、数え年13年の生涯に幕を閉じました。朝の五時頃のことであったそうです。
普段は足を向けたこともない、渋谷駅からは離れた稲荷橋の付近、渋谷区中通三丁目四十一番地にある、滝沢酒店の近所で倒れているのが発見されました。酒店のおかみさんが見つけたとき、ハチ公にはまだほんのりと、ぬくもりが残っていたという話です。
おかみさん(春野さん)は後に、
「可愛がってくれた飼い主を死ぬまで忘れられなかったハチ公でした。死に顔を青山墓地(※)にむけていて、可哀相でしたよ」
と、語っています(「ハチ公文献集」参考)。
(※青山墓地は、ハチ公の主人・上野博士の墓所。館長補足)
資料「ハチ公の死」
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